歯医者さんでの定期的なケアはもちろん、歯の寿命を伸ばすためにはおうちでのホームケアも効果的です。今回は、MIペーストを使用した歯のミネラルパックについて、効果や使い方、注意点までをわかりやすく解説します。
歯のミネラルパックとは?
歯のミネラルパックとは、歯の表面にカルシウムやリンといったミネラル成分を補給し、歯の再石灰化を促進するケア方法です。日常生活において、飲食物の酸や虫歯菌の排出した酸によって歯が溶け(=脱灰)、虫歯として進行してしまうことや、気付かないうちに歯そのものが溶けて小さくなることがあります。ミネラルパックを行うことで失われた成分を補い、歯の再石灰化をサポートし、虫歯や歯の白濁(初期う蝕)を予防することができます。虫歯予防に効果的なうえ、矯正中の方にもおすすめです。歯科医院だけでなく自宅でも簡単にケアできる点が注目されています。
歯のミネラルパックにオススメのMIペースト
歯のミネラルパック製品の中でも、特に人気が高いのがGC社の「MIペースト」です。MIペーストは、牛乳由来の成分(CPP-ACP)を主成分とし、カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含んでいます。歯磨き後に歯に塗るだけで、歯の表面にミネラルを補給し、再石灰化を促進します。また、フレーバーも豊富で、子どもから大人まで使いやすいのが特徴です。
MIペーストの成分とその効果
MIペーストの主成分であるCPP-ACP(カゼインホスホペプチド-非結晶性リン酸カルシウム)は、牛乳由来のたんぱく質から作られています。この成分は、歯の表面にミネラルを効率よく届け、再石灰化を強力にサポートします。カルシウムとリンは歯の主成分であり、これらが不足すると歯が弱くなり、虫歯や知覚過敏のリスクが高まります。MIペーストは、これらのミネラルを歯に直接補給することで、歯の健康維持に大きく貢献します。また、フッ素と併用することで、さらに効果が高まると言われています。日常的に使用することで、虫歯リスクの低減や歯の健康維持に役立ちます。
正しい使い方と効果的なミネラルパック方法
MIペーストの効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方が重要です。 まず、歯磨きをして歯の表面を清潔にした後、適量のMIペーストを歯ブラシや綿棒で歯全体に塗布します。塗布後は3分以上そのままにし、唾液もできるだけ吐き出さずに保持するのがポイントです。その後、軽く唾液を吐き出し、うがいは控えめにしましょう。
- 歯磨き後に歯全体にまんべんなく塗布
- 3分以上放置、塗布中は唾液もできるだけ飲み込まない
- 控えめのうがいがポイント
そのまま寝るのはOK?ミネラルパックの時間とタイミング
MIペーストを用いたミネラルパックは、就寝前に行うことが特におすすめです。寝ている間は唾液の分泌が減るため、ミネラル成分が歯に長くとどまりやすくなります。そのまま寝ても問題はありません。MIペーストを塗布後、マウスピースやナイトガードをはめたまま寝るマウスピースパックもおすすめです。
MIペーストのデメリット・注意点
MIペーストは多くのメリットがありますが、注意点もあります。牛乳由来成分を含むため、牛乳アレルギーの方は使用できません。また即効性はなく、継続的な使用が必要です。使用前には必ず成分表示を確認し、心配な場合は歯科医師に相談しましょう。
豊富な種類
MIペーストにはさまざまなフレーバーやタイプがあり、好みに合わせて選ぶことができます。代表的なフレーバーには、ミント、ストロベリー、バニラ、ヨーグルト、メロンなどがあり、子どもから大人まで、日によって使い分けるような楽しみ方もできます。自分の好みや目的に合わせて選ぶことで、毎日のケアが楽しく続けやすくなります。
まとめ|歯の健康を守るミネラルパック活用のすすめ
歯のミネラルパックは、虫歯予防や歯の再石灰化をサポートする現代的なデンタルケア方法です。特にMIペーストは手軽に自宅で使えるうえ、多くの歯科医師からも推奨されています。正しい使い方や注意点を守りながら、毎日のケアに取り入れることで、歯の健康を長く保つことができます。自分に合ったフレーバーやタイプを選び、楽しく続けていきましょう。
監修歯科医師
東京医科歯科大学名誉教授
田上 順次(たがみ じゅんじ)
東京医科歯科大学名誉教授
クオーツデンタルクリニック 院長
朝日大学客員教授
奥羽大学客員教授
昭和大学客員教授
インドネシア大学非常勤教授
日本歯科保存学会(元理事長)専門医/指導医
日本接着歯学会(元会長)専門医
日本歯科審美学会(元会長) 認定医
日本歯科理工学会(元評議員)名誉会員
口腔病学会(元会長)
国際歯科研究学会(IADR:International Association of Dental Research)
ほか